秋は新しい挑戦を考えるのに最適な季節です。
本記事では福祉業界でのキャリアアップを目指す方に向けて、重要なポイントやスキルアップの方法を紹介します。
キャリアップのポイント 秋に考える福祉業界
1 福祉業界でキャリアアップするには?目指すためのポイント
1-1 キャリアアップの重要性
キャリアとは個人の経歴を指す言葉です。
なぜキャリアアップは重要なのでしょうか?
それは
①給与アップが見込める
②仕事の熟練度が上がり仕事の幅が広がる
③自己充実感を得られる
といったメリットがあるからです。
①給与アップが見込める
仕事で必要な知識や技術を身につけたり資格を取得したりすることで、給与アップや待遇の向上が期待できます。
②仕事の熟練度が上がり仕事の幅が広がる
技術を磨くと業務の熟練度が上がり仕事の幅も広がります。
その結果サービスの質が向上し、利用者の安心感や信頼感が生まれ、満足度もアップするでしょう。
③自己充実感を得られる
出来ることが増えていけば、仕事に対してよりやりがいをもつことができます。
このようにキャリアアップは給与や待遇の向上だけでなく、仕事の質ややりがいにも大きく影響するのです。
1-2 キャリアアップするための3ステップ
福祉業界でキャリアアップを目指すためにはどうしたらいいのか、3つのステップにまとめました。
①今まで自分がどんな経験をしてきたか整理する
②今後どんな働き方をしたいか明確化する
③将来どうなっていたいかを考える
ひとつずつ見ていきましょう。
①今まで自分がどんな経験をしてきたか整理する
まずはこれまでに積んできた様々な経験を洗い出してみましょう。
飲食店でのアルバイトなど、福祉関連に限定しなくても大丈夫です。
これまでを振り返ることで自分の強みを把握できます。
②今後どんな働き方をしたいか明確化する
「知識や技術を磨いて専門職として働きたい」
「管理職に就いてマネジメントしてみたい」
など具体的な目標を設定し、どういう方向性でキャリアアップを目指すか明確にすることが重要です。
今の自分にできることを整理したうえで目標を決めると、実現のために何が足りないのかが見えてきます。
③将来どうなっていたいかを考える
キャリアアップの方向性が決まったら10年先の自分をイメージしてみましょう。
今の職場でずっと働き続けられるか、理想の働き方を実現できそうか、周りで働いている先輩方はどのように見えますか?
管理職を目指したり、資格を取ってスキルを磨いたりいろいろな考え方があります。
自分に合ったキャリアアップの形を探してみましょう。
キャリアアップ成功のポイントは
・実務経験の積み重ね
資格取得やキャリアアップのための条件として、一定の実務経験を求められることがあります。
目標が決まっていざ動き出そうというときに足踏みしないためにも、着実に経験を積み重ねておきましょう。
・継続的な学び
知識や技術は日々進歩していきます。
そのため資格を取った後も、最新の知識や技術を学び続けることが必要です。
何事も続けるのは簡単ではありませんが、自分の視野をさらに広げられます。
これらのポイントを意識して、キャリアアップを目指してみてください。
1-3 なぜキャリアデザインが必要なのか
なぜ今こうしたキャリアデザインを考える必要があるのでしょうか?
それは社会情勢や仕事への意識・価値観が多様化したからです。
現在、終身雇用制度や年功序列制度などを導入している会社は少なくなりました。
それに伴って人材の流動性も高まっています。
転職も珍しくなくなりましたよね。
学歴や職歴よりもスキルや能力が重視される雇用へと変化してきているのです。
キャリアデザインをするには
①自分の現状を把握する
②将来やってみたい仕事・なりたいポジションをイメージする
③現状と将来のギャップを把握し、理想を実現するために必要な行動をとる
この3ステップで考えてみましょう。
キャリアデザインを設計し、実現に必要なスキルや能力をどれだけ身に付けられるかが今後の働き方や人生そのものに影響する時代になっています。
働く人それぞれが自分に合ったキャリアデザインを設計することが重要です。
福祉業界でキャリアアップするために必要な資格とスキルって?
福祉業界でキャリアアップするにはどんな資格やスキルが必要になるのでしょうか?
役立つ資格や求められるスキルなどを紹介していきます。
2-1 キャリアアップに役立つ資格
知識を深めるのに役立つ資格には以下のようなものがあります。
①介護福祉士
介護業界で唯一の国家資格であり、専門的な知識と技術を証明するものです。
働きながら取得を目指す方が多く、資格取得後はケアマネージャーの受験資格も得られます。
この資格を取得すると、介護現場でリーダー的な役割を担うことが可能となり、求人応募時に優遇されるほか、資格手当の対象にもなるため給与アップも見込めるでしょう。
②社会福祉士
高齢者や障害者など、福祉の支援を必要とする方の相談業務を担うための資格です。
この資格を取得するには社会福祉士国家試験に合格する必要があります。
試験の合格率は30~40%と難易度が高いですが、取得すれば現場で重宝される人材になれるでしょう。
③ケアマネージャー(介護支援専門員)
介護福祉士の上位資格で、要介護者やその家族の相談に応じてケアプランを作成したり、利用者と施設との調整をしたりするのが主な仕事です。
現場での業務もありますが、ケアプランの作成という事務系の仕事がメインとなるため肉体的な負担は少なくなるでしょう。
資格取得後も実務研修を受ける必要があるので注意してください。
2-2 キャリアアップに必要なスキル
資格取得以外にもキャリアアップする方法はあります。
①コミュニケーション能力を磨く
②観察力・判断力をつける
順を追って見ていきましょう。
①コミュニケーション能力を磨く
利用者の要求を細やかに把握し、適切なサービスを提供するのに役立ちます。
正しい言葉遣いや会話のマナーを身につければ、利用者やその家族、職員同士とも円滑なコミュニケーションが取れるでしょう。
また、傾聴力や非言語コミュニケーションも重要です。
相手の話に耳を傾けたり表情や声のトーンを意識したりすれば、相手に安心感や信頼感を与えられます。
②観察力・判断力をつける
周囲の動きや利用者の状況を常に観察し、異変に気づく力も大切です。
利用者の体調や精神状態の変化に迅速に対応できれば信頼感が生まれます。
普段の業務を効率的に進めるのも大事ですが、観察や確認を怠らず小さな変化を見逃さないことで、より手厚いサービスを提供可能です。
3 スキルアップのための具体的な方法とは?
「必要な資格やスキルは分かったけど、具体的にどうしたらいいの?」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。
実際に現場で働きながら資格を取ったり、スキルを磨いたりする場合に絞って解説していきます。
3-1 資格を取る方法
まず受験資格を得るには
・介護の現場で3年以上、かつ従事日数540日以上の実務経験がある
・介護福祉士実務者研修を修了している
(もしくは介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修の2つを修了している)
この2つの条件を満たしていなければなりません。
そして介護福祉士国家試験を受験し、合格すれば資格を取得できます。
②社会福祉士
受験資格を得るには
・福祉系の4年制大学・短大、短期養成施設、一般養成施設のいずれかを卒業(修了)している
・相談援助の実務経験がある(ただし最終学歴によって異なる)
この2つを満たす必要があり、社会人が働きながら社会福祉士の資格取得を目指す場合は、最終学歴によってルートが異なります。
福祉系の4年制大学か一般の4年制大学を卒業している場合は、実務経験が不要です。
短大を卒業している場合は、3年制は1年、2年制は2年の実務経験が必要になります。
そして大学や短大を卒業していない場合、4年の実務経験があり一般養成施設での履修を終えれば受験資格を得ることが可能です。
ただし、福祉関係の事業所で働いた経験がすべて実務経験として認められるとは限らないので注意しましょう。
受験資格を得たあとは、試験に合格し登録申請する必要があります。
③ケアマネージャー(介護支援専門員)
受験資格を得るための条件は以下の2つです。
・介護福祉士などの資格を取得している
・5年以上かつ900日以上の実務経験がある
無資格で未経験の方がケアマネージャーになるには、まず介護福祉士の資格取得を目指すのが一般的です。
受験資格を得て試験に合格した後は、研修を受講して修了し登録申請します。
そして資格証が交付されればケアマネージャーとして勤務可能です。
3-2 資格以外のスキルを磨く方法
資格を取得する以外にもスキルアップの方法はあります。
モチベーションを保つことにも役立ちますので、ぜひ実践してみてください。
①研修会やセミナーに参加する
スキルの向上やモチベーションアップには、研修会やセミナーに参加するのがおすすめです。
外部のセミナーに参加すると、同業者と悩みを共有できたり他の施設の話を聞いて視野が広がったりするなど、スキルアップ以外のメリットもあります。
参加するための費用や休みの調整が難しい場合は、オンラインで実施しているものもあるので、探してみてください。
②広く情報収集する
直接仕事に関係ない情報も現場で役立つことがあります。
例えば時事ネタやスポーツ、文化などの情報は利用者とのコミュニケーションやレクリエーションに活かせます。
また、仕事をする上で福祉に直接関連しない知識が必要となるケースも少なくありません。
日頃から話題の引き出しを多くもつことが大切です。
③前向きに捉えチャレンジする
福祉の仕事はやりがいのあるものですが、辛く感じることもたくさんあります。
頑張っても成果が出ず落ち込んでしまうときもあるかもしれませんが、気持ちを切り替えて前向きにチャレンジしていく姿勢が大切です。
まとめ
・キャリアアップのためのポイント
・キャリアアップに必要な資格とスキル
・スキルアップのための具体的な方法
について紹介してきました。
資格を取ったりスキルを磨いたり、目指すキャリアアップの方向性によって様々な方法があります。
働きながら現状を変えるのは簡単ではありませんが、自分に合ったやり方を見つけるための一助となれば幸いです。