【令和7年6月16日号】コラム

ボーナスをもらってから退職したい!

転職を考えているものの
「できればボーナスを受け取ってから退職したい」
と迷う方は多いでしょう。
一度の支給額が大きいため、悩むのも当然です。
本記事では、転職市場の動向とボーナスを受け取ってから退職する最適なタイミングについて解説します。
転職で損をしないために、ぜひ参考にしてください。

ボーナスをもらってから退職したい!転職に有利なタイミングとは

転職前に確実にボーナスを受け取るために考慮すべきポイントと、転職のタイミングについて解説します。

1-1 ボーナスを受け取るためのポイント

まずは企業の就業規則を確認し、ボーナスの支給条件を把握することが重要です。

特に以下の点に注意しましょう。

・支給日時点で在籍していることが条件となるケースが多い

・算定期間や支給時期は企業ごとに異なる

・中小企業では規定が曖昧な場合があるため、ボーナス支給後に退職の意思を伝える

事前に就業規則をチェックし、適切なタイミングで行動することで、ボーナスを確実に受け取れるようにしましょう。

1-2 転職するタイミング

①夏のボーナスの場合

転職活動を計画的に進め、できるだけ多くのボーナスを受け取るためのスケジュールを考えてみました。

・ボーナス支給日は7月

・算定期間は前年10月~3月

・ボーナスを受け取る条件は支給日に在籍していること

以上3点を前提としています。

転職活動スケジュールの具体例は

1月~2月…自己分析・転職準備

3月~4月…求人検索・応募開始

5月~6月…面接・内定獲得

7月…ボーナス受領後に退職の意思表示・業務の引継ぎ開始

8月~9月…退職手続き・新しい会社へ入社

内定獲得までに最低でも3ヶ月かかると想定すると、転職活動は4月までには始めておきたいですね。

事前準備も含めると、もう1〜2ヶ月は余裕をもって行動したいところです。

退職の意思伝えるのはボーナス支給後にしましょう。

支給日前に退職の意思を伝えると、減額の可能性があるためです。

また、会社側の対応や引継ぎの準備を考慮し、退職の意思は最低でも2~3週間前、引継ぎがある場合は1ヶ月前までに伝えましょう。

転職先の入社日はボーナス支給後の8月以降に調整し、有給消化も考慮すると理想的です。

②冬のボーナスの場合

続いて冬のボーナスを受け取った後に転職するためのスケジュールです。

前提として

・ボーナス支給日は12月

・算定期間は4月~9月

・ボーナスを受け取る条件は支給日に在籍していること

これら3点を念頭においてください。

具体的な転職活動スケジュールとしては

9月…自己分析・求人応募開始

10月…面接

11月…内定獲得

12月…ボーナス支給後に退職の意思表示・業務の引継ぎ開始

翌年1月~2月…退職手続き・新しい会社へ入社

転職活動はボーナス支給の約3ヶ月前、9月頃に開始するのが理想です。

注意点は夏の場合と同じで、ボーナス支給日前に退職の意思を伝えると減額の可能性があるため、支給後に伝えるようにしましょう。

転職先の入社日はボーナス支給後の翌年1月以降に調整するのがおすすめです。

1-3 退職する際の注意点

退職する際の2つの注意点について解説します。

①もらい逃げに注意

転職時にボーナスを受け取るのは正当な権利です。

しかし、業務引継ぎのための時間をあまり確保せず、ボーナス支給直後に即退職してしまうと悪い印象をもたれる可能性があります。

「ボーナスだけ受け取ってすぐ辞めた」と捉えられると、今後のキャリアにも影響を及ぼすかもしれません。

世間は意外に狭いので、誠実な対応を心がけましょう。

円満退社するために、1ヶ月程の十分な引継ぎ期間を確保することが大切です。

丁寧な準備と適切なタイミングで退職することで、ボーナスを受け取りながら円満に転職できますよ。

②タイミングに注意

ボーナスを確実に受け取るには、退職届の提出タイミングが非常に重要です。

退職の意思は、必ずボーナス支給後に伝えましょう。

特に中小企業では、経営者の判断によってボーナスの支給額が決まる場合があり、支給日前に退職の意思を示すと減額される可能性があるのです。

また、企業によっては支給日前に退職届を提出した場合、ボーナスを支給しないと就業規則で定めていることもあります。

そのため、算定期間と支給日に在籍していても、規定によってボーナスを受け取れない場合があるので注意が必要です。

ボーナスをもらってから退職するために!転職市場の動向を把握しよう

内定まで3ヶ月かかるという想定の元、3〜4月と9月の転職市場の動向について解説します。

2-1【3〜4月】転職市場の動向

3月は転職市場が活発化する時期です。

企業の年度末に伴い、人員計画の見直しや新年度の採用活動が本格化し求人数が増加するでしょう。

特に大手企業や成長企業は積極的に採用する傾向があります。

一方で、転職希望者も増えるため競争が激しくなる予想です。

事前準備の重要性が高まる点に注意しましょう。

4月になると転職市場は落ち着く傾向です。

企業は新卒社員の受け入れや組織の調整に注力するため、採用活動を控えるケースもあります。

その結果、求人数や応募数が減り、転職のタイミングとしては3月の方が有利な場合が多いでしょう。

3月のポイントは

・求人が増えるため、転職のチャンスが広がる

・競争が激しいため対策が必要

4月のポイントは

・転職市場は落ち着く傾向

・3月に内定が取れなかった求職者が動くため、採用活動が続く企業に注目

企業の採用動向を見極め、転職のタイミングを慎重に選ぶことが成功の鍵です。

この時期の市場動向を理解し、計画的に転職活動を進めることで、より良いキャリアを築くことができるでしょう。

2-2【9月】転職市場の動向

9月は企業の上期終了と下期の準備が重なるため、転職市場が活発化する時期です。

特に営業・コンサルティング・事務・メディアなどの職種では求人が増加し、即戦力となる経験者を求める企業が増えるでしょう。

選択肢が広がる一方で、求職者も増えるため競争が激化する傾向があります。

そのため、スキルや実績を活かした転職戦略を立てることが重要です。

キャリアアップを狙う人にとっても、企業の採用ニーズとマッチしやすい時期なので、積極的に動くことで成功の可能性が高まります。

9月の転職市場は、多くの企業が計画的に人材募集を行うタイミングであり、適切な準備をすることでより良いキャリアの選択が可能になります。

スムーズな転職のために、事前の準備と戦略的な行動を心掛けることが成功の鍵となるでしょう。

まとめ

ボーナスは正当な対価です。

確実に受け取るために、まずは就業規則を確認し、算定期間や支給条件を把握しましょう。

ただし、最優先すべきはボーナスではなく、自分に合った企業への転職です。

そのうえで、最適な転職スケジュールを立て、計画的に行動しましょう。

本記事があなたの転職活動の一助となれば幸いです。