【令和7年9月1日号】コラム

「夏の転職は不利」

「夏の転職は不利」
そんなイメージをもっていませんか?
確かに企業の動きが鈍くなる時期でもあります。
しかし、それだけで転職活動を後回しにするのはもったいないですよ。
本記事では、夏の転職活動で陥りがちな5つの落とし穴とその対策について紹介します。
後悔しない夏にするために、ぜひチェックしてみてください。

夏の転職活動で後悔しない!知っておきたい5つ注意点

夏の転職活動ならではの注意点とその対策について解説します。

ひとつずつ見ていきましょう。

1-1 注意点 ①夏の転職市場は遅延しやすい

夏の転職活動には、他の季節とは異なる特有のハードルがあります。

特に8月は企業が夏季休暇やお盆休みに入るため、求人の掲載数が減り選考が一時的に停止することが多いです。

その結果、応募後の連絡が遅れたり、希望する入社時期に間に合わなかったりと、不安を感じるケースも少なくありません。

希望する業界の募集状況を事前に転職サイトなどで確認し、現在どの企業が積極的に採用を行っているかを把握することが重要です。

選考結果の通知にかかる時間の目安を事前に聞いておくのも良いでしょう。

また、一社に絞らず、複数の企業に同時並行で応募することで、連絡の遅れに振り回されず、機会の損失を防げます。

夏は確かに動きづらい季節ですが、求人に気づける力と待つ覚悟があれば、他の求職者と差をつけるチャンスにもなります。

1-2 注意点②ボーナスと退職のタイミングが難しい

夏の転職活動で意外と見落としがちなのが

・ボーナスの支給タイミング

・退職・入社日の調整

です。

特にボーナスを受け取ってから退職したい場合は、自社の支給ルールを確認することが欠かせません。

例えば

〇月〇日時点で在籍している社員に支給

といった条件があると、退職届の提出時期によって対象から外れる可能性があります。

また、内定先の入社日が支給日よりも前になると、せっかくのボーナスを受け取れないまま転職…なんてことになりかねません。

就業規則などでボーナスの支給日と条件をあらかじめ把握し、それに合わせて内定先と入社日の調整を行うことが重要です。

事情を伝えれば柔軟に対応してくれる企業も多いため、正直に相談してみましょう。

また、企業によってはそもそも夏のボーナスが支給されない場合もあります。

そうしたケースでは、待つよりも早く行動を起こすことで、転職先での待遇アップや早期入社によるメリットを得られるかもしれません。

後悔のない転職を実現するためには、ボーナスの有無に関わらず、自分にとってベストなタイミングで行動できるようにすることが大切です。

計画的なスケジュール管理と柔軟な対応を心掛けましょう。

1-3 注意点③モチベーションが落ちやすい

夏はレジャーやイベントも盛りだくさんです。

バーベキューや花火大会、旅行の予定など楽しい誘いが増える時期だからこそ、転職活動に気持ちを向けるのが難しくなりがちです。

「あとでやろう」

「ちょっと調べるだけで今日は終了」

そんな曖昧な行動が続くと、気づいた頃には秋に突入していたなんてケースも珍しくありません。

さらに、暑さによる体力低下や、だらけがちな生活リズムも、モチベーションの維持に影響します。

気が乗らない日が続くと、自己肯定感も下がりがちですよね。

そんな夏でも、行動を可視化し習慣にすることで、着実に転職活動を前進させられます。

例えば、通勤中は転職アプリで求人をチェックしたり、キャリア記事を読んだりするなど、他の行動とセットにすると習慣化しやすくなりますよ。

夏だからこそ、自分らしいペースで進める工夫が必要です。

暑さと誘惑に流されるのではなく、自分を律する小さなルールが転職成功への近道になるでしょう。

1-4 注意点④服装選びが難しい

夏の転職活動では何を着て行くかが意外と大きな悩みですよね。

特に真夏のスーツ着用は、炎天下の移動だけでも体力を奪われ、汗で不快感が増すことで集中力や自信にも影響が出てしまいます。

乱れた服装によってだらしない印象を与えてしまうと、いくらスキルや経歴が整っていても、損をするかもしれません。

一方で、最近ではクールビズを導入している企業も多く、ノーネクタイや半袖シャツなども許容されるケースが増えてきました。

しかしそのスタイルも、どの企業がどこまで許容しているのかは事前に調べておくと安心です。

特に面接はフォーマルな場ですから、社風に合った最低限のきちんと感を保つことが求められます。

まずは、面接先の企業がクールビズを導入しているかを事前に確認しましょう。

また、制汗剤やハンカチ、予備のシャツなどを持参し、万が一の対策も抜かりなく整えておくと安心です。

スーツ=正解ではなく、その場に合った身だしなみ=信頼感を意識して、夏でも好印象をキープしましょう。

1-5 注意点⑤先を見越して準備する

夏の転職活動で思うように結果が出なくても、過度に落ち込む必要はありません。

大切なのは焦って動くのではなく、気持ちを切り替え秋に向けてしっかりと準備を進めることです。

9月以降は採用活動が本格化し、求人の数や職種の幅が大きく広がります。

そのタイミングを逃さないためにも、夏のうちに自己分析や職務経歴書をブラッシュアップして、転職活動の土台を整えておきましょう。

まずは、自分の強み・弱み、やりたいこと、働くうえで譲れない条件などを整理するため、自己分析をしてみてください。

転職活動の軸を明確にしておくことで、求人選びや複数から内定をもらったときの最終判断にもブレが生じにくくなります。

また、職務経歴書は過去の成果や実績を数字で示すようにすると、採用側の印象を高められますよ。

さらに、転職エージェントの活用もおすすめです。

第三者視点は、新たな強みや今まで見えていなかった選択肢を発見するのに役立ちます。

夏は整える季節と考え、準備を怠らないことが後悔のない転職に繋がる第一歩です。

まとめ

夏の転職活動には、他の季節とは異なる特性があります。

・遅延しやすい

・ボーナスと退職のタイミングが難しい

・モチベーションが落ちやすい

・服装選びが難しい

・先を見越して準備する

確かに難しさはありますが、視点を変えればチャンスです。 この記事で紹介した5つのポイントを押さえて、自分のペースで着実に準備を進め、自信をもって転職活動に臨みましょう。