【令和7年7月14日号】コラム

【2025年夏】求人市場の動向とは

「転職するならこれから伸びる業界に入りたい」
と思う方は多いでしょう。
しかし、いざ転職しようとしても成長しそうな業界はどこなのか、これから伸びる業界をどう見極めたら良いのか悩んでしまいますよね。
そこで今回はこれから伸びる業界をピックアップしながら、今後役立つスキルについても解説していきます。
将来性を見込める企業で働きたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

【2025年夏】求人市場の動向とは

労働人口の減少やテクノロジーの進化、働き方の多様化などから求人市場は大きな転換期を迎えようとしています。

これからどうなっていくのか、ひとつずつ見ていきましょう。

①売り手市場

2025年夏の求人市場は、求職者にとって有利な状況が続くと予測されています。

夏のボーナス支給後に離職者が増加する傾向があるため、その欠員補充や、第二新卒・若手層の確保を目的とした採用活動が活発になる見込みです。

また、「2025年問題」と呼ばれる社会的課題も無視できません。

団塊世代の大量退職によって人材不足が深刻化し、高齢者を支える現役世代の負担は増加しています。

特に、65歳以上の高齢者が急増する一方で、労働力人口は減少傾向にあり、企業は高齢者の就労ニーズを取り入れた柔軟な雇用体制の導入を迫られています。

このような環境下で、企業側には採用競争の激化が待ち受けており、自社の魅力を的確に発信し、長期的な人材確保を実現する戦略がこれまで以上に重要になっていくでしょう。

②転職希望者の動き

近年、求職者従来の給与水準だけでなく、福利厚生や柔軟な働き方にも関心を寄せています。

物価上昇や増税により生活コストが増加していることから、収入への満足度が低下しているためです。

特に、柔軟な働き方へのニーズは年々高まっており、企業側もそれに応じてリモートワークの導入や副業規制の緩和といった対応を進めています。

また、地方移住やUターン転職への関心も強まっており、都市部以外での就業機会にも注目が集まっています。

このような変化の中で、求職者が自身の希望条件を明確にし、市場の動向を的確に把握した上で戦略的に転職活動を進めることが、より良いキャリア選択に繋がるでしょう。

【2025年夏】これから伸びる分野や企業とは

・情報技術の活用

・少子高齢化社会への適応

これらが可能な業界は、今後伸びる可能性があると考えられています。

以下で詳しく解説しますので、ひとつずつ見ていきましょう。

2-1 これから伸びる分野3選

①IT

2025年のIT業界は、いずれも高い成長性と需要を有する注目分野です。

なかでもSNSや動画配信、Web広告、ECサイト構築といったインターネットを活用したサービスは、ユーザー数・広告費・取引額が右肩上がりの成長を続けています。

SNS広告においては、ショート動画広告が主流となっており、視覚的な訴求力と拡散力の高さから、企業のマーケティング戦略に欠かせない存在です。

さらに、ChatGPTをはじめとする生成AIの活用も広がっており、AIの出力をそのまま使うのではなく、現場の業務に落とし込んで実装できるスキルをもつ人材へのニーズが高まっています。

そのため、AIリテラシーと実装力の双方を兼ね備えた人材が、今後ますます求められるでしょう。

②医療・介護

少子高齢化が進む日本において、医療・介護業界の重要性はますます高まっていくと考えられます。

すでに現場では深刻な人手不足が課題となっており、この傾向は今後さらに加速する見込みです。

その背景には、業務の負担に対して報酬が見合っていないという構造的な問題があり、政府も2024年から段階的な賃上げ施策を講じるなど、改善に向けた取り組みを進めています。

医療・介護分野には、直接ケアを担う現場職に加え、医療機器メーカーなど周辺産業も存在しており、市場全体としての注目度が高まっています。

今後この業界が安定的に人材を確保し、持続的に成長していくためには、単なる採用強化にとどまらず、働き続けられる環境づくりや、やりがいの可視化といった取り組みが不可欠となるでしょう。

③EC(電子商取引)

EC業界は、インターネット技術の進化と生活スタイルの変化を背景に、近年急成長を遂げている分野です。

オンラインを通じて商品やサービスを売買できる点が大きな特徴であり、従来の実店舗と比べて時間や場所にとらわれない利便性の高さが評価されています。

Amazonや楽天市場といった大手に加え、BtoB(企業間取引)やCtoC(個人間取引)など多様な形態を含めると、EC市場はさらに拡大を続けています。

特に、外出自粛に伴う巣ごもり需要の増加を契機に、ECへのニーズは今なお衰えることなく根強く存在しています。

今後も生活様式のデジタルシフトが進行する中で、EC業界は継続的な成長が見込まれており、もはや単なる購買手段にとどまらず、企業の収益戦略の中核を担う重要な存在となりつつあるのです。

2-2 これから伸びる業界を選ぶポイント

これから伸びる可能性のある業界を見極めたいときは、市場規模やリモートワークの可否などを確認してみましょう。

以下では、これから伸びる業界を選ぶポイントをまとめました。

①市場規模が拡大しているか

業界を選ぶ際は、単に市場規模が大きいかどうかではなく、拡大傾向にあるかに注目しましょう。

売上や利用者数、投資額が継続して伸びている業界は、将来的な成長性が高く、健全な市場と言えます。

総務省や経済産業省のデータなどを活用し、客観的に分析することが重要です。

社会的背景も踏まえて将来性を見極めることが、キャリア形成・転職成功の鍵になります。

②リモートワークが可能か

コロナ禍をきっかけにリモートワークが定着し、柔軟な働き方に対応できる業界や企業が注目されています。

こうした企業は変化への対応力や働きやすさから人材を惹きつけやすく、今後の成長性も高いと考えられます。

③政府からの支援を受けているか

企業は社会的責任を果たすために、政府の方針に沿って事業や組織体制を柔軟に見直す必要があります。

政策に連動して補助金などの支援制度が用意されるケースも多く、例えばDX (デジタルトランスフォーメーション)推進におけるIT導入補助金がその一例です。

もちろん支援の有無だけで成長は決まりませんが、政府の動向を把握することは将来性を見極めるうえで有効な判断材料となります。

キャリア選択や企業戦略においても、政策の流れに注目することが重要です。

④AIにできる仕事か

AIに代替されにくい仕事かどうかを見極めることも、これからのキャリア形成で重要です。

定型的な業務はAIが得意とする一方で、創造性や共感力が求められる仕事、例えば

・教師

・保育士

・カウンセラー

などは人にしか担えない価値があります。

AIにできること・できないことを冷静に見極め、自分の強みを活かせる領域で価値を高める姿勢がこれからの時代には求められます。

⑤生活に欠かせないか

生活に密着した商品やサービスを扱う業界は、今後も安定した需要が見込まれる将来性の高い分野です。

特に食料・インフラ・医療・公共サービスなど人々の暮らしを直接支える仕事は社会に不可欠であり、変化に柔軟に対応できる業種ほど今後さらに注目を集める可能性があります。

見出し3 まとめ

今後伸びる業界や必要とされるスキルについて解説してきました。

これから伸びる時予想される分野は

①IT

②医療・介護

③EC

です。

2025年現在のトレンドはやはりAIであり、どの業界でもDX化が進んでいくでしょう。

こうした時代の変化に迅速に対応できる企業は、今後も成長性が高いと考えられます。

今後その業界が伸びるかどうかは

①市場規模が拡大しているか

②リモートワークが可能か

③政府からの支援を受けているか

④AIにできる仕事か

⑤生活に欠かせないか

これらの要素がポイントです。

応募する企業を決めるときは給与面だけでなく、こうしたポイントにも着目してみると、転職した後の働きやすさや長期的なキャリアプランに影響してくるかもしれません。

ぜひ多角的に応募先を検討してみてください。

この記事があなたの転職活動の一助になれば幸いです。