【令和7年4月7日号】コラム

求人動向の分析と成長が期待される業界

新年度が始まる4月。
多くの企業が新たな人材を求める時期です。
このタイミングで
「転職市場の動向を知っておきたい」
「今後成長が期待される業界に転職したい」
と考えている方も多いのではないでしょうか。
働き方の多様化やデジタル化の進展、少子高齢化による労働力不足によって転職市場は大きく変化しています。
この記事では、現在の求人動向を分析し、成長が期待される業界や分野を紹介します。
ぜひ転職活動に役立ててください。


新年度の求人動向はどうなる?業界や職種ごとに解説

まずは2025年4月の求人動向を見ていきましょう。

1-1 求人数が増えている理由

2025年4月の転職市場は、労働力不足を背景に引き続き求人数が増え、活発な採用活動が行われると予想されています。

その要因は主に2つです。

①2040年問題

2040年頃に団塊ジュニア世代が定年退職することによって、労働力不足が深刻になるとされている問題です。

生産性や経済成長率の低下が懸念されており、今のうちから戦力になる働き手を集めようと、企業は中長期的な採用計画を進めていくと見られています。

また、2025年は65歳以上の高齢者が増加する年でもあります。

65歳以上の高齢者は働こうという意欲が高いため、人手不足解消のために高齢者を雇用する企業が増えていくでしょう。

②働き方改革

働き方改革を進める企業が増えていることも、求人数の増加に繋がっています。

残業時間を減らし、業務を効率化するためには多くの人材が必要です。

特に短時間正社員やDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進できるような人材のニーズが増加しています。

新卒採用は出生率の低下に伴い、採用がますます難しくなっていくと予測されています。

そのため新卒採用枠を埋めることが難しい企業は、第二新卒や未経験者を視野に入れた採用に力を入れるようになっていくでしょう。

1-2 今後成長が期待される業界

2025年4月以降、成長が期待される業界を3つ紹介します。

① コンサルティング業界

コンサルティング業界は2025年も引き続き積極的な採用活動が続く見込みです。

背景にはデジタル化や海外進出に伴う企業の需要拡大があります。

特にAIやDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する業務は、今後の成長を牽引すると見られており、ITコンサルティング分野の伸びが顕著です。

今後は戦略を考えるだけでなく、それを実行までできるような付加価値をもった人材の需要が高まっていくでしょう。

市場規模は拡大中で、新人育成プログラムも充実しているため、未経験者も歓迎される傾向です。

今後はクライアントと連携しながら実践的な成果を生む現場型コンサルティングや地方創生、医療ビジネスなど特定のテーマに特化したコンサルティングが求められるようになると予想されています。

②人材サービス業界

2025年、社会は少子高齢化による労働力不足やデジタル化の進展、インフレによる賃上げ圧力などの課題に直面しています。

そうした変化に対応するため、企業は特にデジタルスキルやAI関連のスキルをもつ人材を確保しようと、人材紹介会社をさらに積極的に利用するようになるでしょう。

加えて、働き方改革の影響でリモートワークや柔軟な働き方が普及し、多様な人材が活躍できる環境が広がっています。

このような社会や需要の変化に迅速に対応し、即戦力になる人材や伸び代のある人材の紹介が今後ますます求められていくでしょう。

③IT・通信業界

2025年もITエンジニアの求人数は引き続き増加傾向です。

特にここ最近はAIやDX (デジタルトランスフォーメーション)、サイバーセキュリティの拡大が要因となっています。

インフラエンジニアやアプリエンジニアなど、生成AIがアウトプットしたものをどう開発に落とし込むかを検討できる人材のニーズが特に高い状況です。

全体としてIT人材の転職市場は活況が続き、多くの求人募集が見込まれます。

ただし、企業は採用に対して選別的になっているため、転職希望者は準備を怠らずに活動を進める必要があるでしょう。

以上3つの業界は、社会の変化に伴って需要が高まっていくため成長が期待できます。

変化する転職市場で成功するためには?

大きく変化していく転職市場で成功するためには

・応募先を決めるときに何を重視するか

・今後企業から求められるものは何か

を把握する必要があります。

ひとつずつ見ていきましょう。

2-1 応募先を決めるときのチェックポイント

応募先を決めるとき重視したいポイントは、期待を満たす職場かどうかです。

2025年の転職市場では、リモートワークや副業の普及を背景に柔軟な働き方がさらに標準化すると予測されます。

多様な働き方に加えて、成長やスキルアップをしたいならそれが可能か、安定を求めるならそれが実現できるかどうかを検討してください。

企業は柔軟な労働環境の整備を進め、多様な人材を取り込みやすくなりますが、従来の労働環境の見直しも迫られています。

その中で自分はどうなりたいか、期待を満たす働き方ができるかどうかもポイントと言えるでしょう。

2-2 企業から求められるスキル

DX (デジタルトランスフォーメーション)化に伴い、どの職種でもITスキルが求められるようになっていくと考えられます。

AIの活用やデータ分析、プログラミングなどのスキルは、IT業界に限らず製造業や医療、金融などの幅広い業界で必要とされていくでしょう。

専門職だけでなく一般職にもデジタルリテラシーが求められるようになり、日常業務の効率化や生産性向上のためのITツールの活用が標準化しつつあります。

また、既存社員に対しても研修やスキル開発の場を提供し、組織全体のデジタル対応力を高めることが求められます。

どんな職種でもITスキルを身につけることで採用の可能性が高まるでしょう。

まとめ

2025年の転職市場は2024年から引き続き、売り手市場になると予想されています。

労働力不足や働き方改革、ITスキルの需要拡大などを背景に、企業は労働環境を見直していくでしょう。

変化する社会の中でどんな働き方ができるか、自分がどうなっていきたいか今一度考えてみてください。